西洋美術史1(古代美術)

西洋美術史の黎明期を飾る古代美術は、その後の西洋美術に多大な影響を与える。神々や王を対象とした宗教的な作品から、理想的な人間の姿を追求した彫刻まで、その表現は多岐にわたっている。

◆エジプト美術
* 特徴:
* 永遠の命を信じるエジプト人にとって、死後の世界での復活を願い、ミイラやピラミッドが作られた。
* 美術作品は、王や神々の権威を示すものであり、厳格な様式が守られた。
* 代表的な作品・作者:
* クフ王のピラミッド: ギザにある三大ピラミッドの一つで、古代エジプト文明の象徴。


* ネフェルティティの胸像: アメンホテプ4世の王妃ネフェルティティの美しい横顔を表現。


* ラー神像: 太陽神ラーを象徴する鷹頭の神像。

◆ギリシア美術
* 特徴:
* 人間の身体の美しさを追求し、理想的なプロポーションを追求した。
* 神話や英雄を題材とした彫刻や絵画が数多く制作された。
* 代表的な作品・作者:
* ミロのヴィーナス: 失われた腕を持つながらも、その美しさは世界的に有名。


* ラオコーンと息子たち: 苦悶する人体の表現が特徴的な彫刻。


* アテナの彫像: パルテノン神殿に置かれていたアテナ像。

◆ローマ美術
* 特徴:
* ギリシア美術の影響を強く受けつつ、写実的な表現を追求した。
* 彫像は、個人の肖像や英雄を題材とするものが多くなった。
* 代表的な作品・作者:
* アウグストゥスの像: ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスの肖像。


* コロッセオ: 剣闘士の試合が行われた円形闘技場。

古代美術の意義
古代美術は、後の西洋美術の基礎となり、その後の芸術家たちに多大な影響を与えた。特に、人間の身体の表現、空間の表現、そして物語の表現において、古代美術は重要な役割を果たした。